どすこいちゃん空を征く

どすこいちゃんが空を制圧する話。

ヒロ様の話(後)

前回の、

 

gel2ca.hatenablog.jp

 の続きになります。

 

 

前回、いっちばん大切なことを書き忘れていたことに気が付きました。

太陽の沈まぬ王国、ヒロイックキングダムのところ。

ファンの持ってるサイリウムの色が水色から黄色になるじゃないですか。あれ、オバレとしてのヒロ様の色からソロとしてのヒロ様の色になってるってことじゃないですか。それはつまり、オバレ、ひいてはコウジへの依存からの脱却ってことですよね。一人で立てる一人の男になる。それぞれ一人で立つことの出来る男が、三人集まって虹を作る。俺たちは力を合わせることでその力を3倍どころか10倍にも100倍にもすることが出来たんだ。力を掛け合わせた時、より大きな力を生み出すためには一人一人がまず大きな力を持つことが必要なんですよね。2×2×2よりも、3×3×3、10×10×10の方が、より大きな力でより沢山のファンの心に手が届く。オバレへの依存、コウジへの依存から脱却出来たヒロ様は、コウジの言う「所詮お前は氷上のプリンスどまり、絶対キングになんかになれない」という言葉に当てはまらなくなります。そうなるように、ヒロが自分から離れられるように、ヒロがキングに相応しい男になるようにコウジはあの時ヒロ様を突き放すんですよ。どん底まで落として、ヒロはそこから強くなって這い上がってこれると信じている。そしてヒロはコウジの行動と精神に応えて成長してくれる。這い上がって来てくれる。王に相応しい男になってくれる。

話が脱線してきました。サイリウムの色だけで依存からの脱却を示すことが出来る今までの積み重ねが素直に凄い。ここまでの描写が一貫してきたからこそ、“サイリウムの色”っていうその点のみでそこまでの心理描写が出来、それが観客に伝わるんです。だけどそれはヒロ様がオバレを切り捨てたということではない。だって、直前にオバレを召喚してるし、そもそも前提がカヅキのつくったステージ、コウジの作った曲だし。王位戴冠の時、コウジからはマントを、カヅキからは剣をそれぞれ受け取って玉座に上がる彼がオバレを切り捨てている訳がないですもんね。依存じゃなくて共存。プリズムキングとして王位に立つ男は速水ヒロ一人であっても、速水ヒロは決して独りではない、孤独ではない。もうPRIDEの時自分の分身を召喚する必要はない。

 

次。

カヅキさんがFREEDOMで作り上げたステージ、後ろにある大きな樹。

あの樹、カヅキさんがショーを終えた時点ではただの樹なんです。

それが、ヒロ様がショーを終えた時、沢山の赤い林檎の実をつけている。赤い林檎は「林檎と蜂蜜」で言われているようにヒロ様のモチーフであると同時に、樹になっている林檎の実→実を付けた林檎の樹って“虹の先に待っていたパラダイス”の光景そのものなんですよね。カヅキさんとヒロ様が築き上げたパラダイスに、“行先表示がfor Paradiseからfor Hollywoodになった列車に乗って行ったコウジ”がハリウッドから帰ってくるんです。もうそれだけで泣ける。あのシーンなにも判らなくても既に泣けるんですけど、ハリウッドとパラダイスの比較の構図が上手すぎて更にボロッボロ泣けます。オバレが再び揃ったパラダイスで、あの三人は再結成(活動再開)の言葉を出してくれる。カヅキさんの「また一緒にやっていけるってことだ」。これ、プリティーリズムの時のコウジのセリフのオマージュであると同時に、それぞれが一人で立てるようになったオバレがパラダイスで結成をもう一度誓うことで、みんなにとってOver the Rainbowという場所が楽園であるということも表していますよね。一人でやっていく力を身に着けてなおオバレを選ぶことで、三人にとってのオバレの大切さが強調される。

ヒロ様の話とはちょっとずれるんですけど、コウジが「僕は天才アーティスト神浜コウジ」って言い切れるようになったのも本当に好きなんですよね。それだけ自分を肯定出来るようになったのも、きっとオバレとしての活動の上にハリウッドでの経験を乗せることが出来たからで、コウジにとってそれはオバレへの依存からの脱却であり、コウジにとっての試練を乗り越えられたということ。コウジもまた一人で立てるようになったということ。

三人がそれぞれ、一人で出来るという選択肢を得た上でOver the Rainbowという、一緒にやっていくという選択をする構図。好きすぎる。

 

王位戴冠とか、朕はプリズムショーなりとか、The King of Prismとか、パワーと説得力が凄すぎる。

ショーの中でもずっとそうだったけれど、玉座に立つヒロ様の胸元の星がオバレカラーなのも大好きです。涙が止まらない。どこまでもヒロ様は独りではない。

 

こんな感じです。ほとんどヒロ様のショーをなぞる形になってしまった。ちょっと解釈めいた話もしちゃったけど、特に目新しい話もないと思います。目新しい話がしたかったわけでもないですし。本当にただ好きな箇所を羅列したかっただけです。

好きな箇所を羅列した結果ほとんどの要素について言及する形になっちゃったんですけど、それってショーの演出一つ一つに意味が込められてるって事なんですよね。ヒロイックキングダムが本当に好きなんですけど、あそこだけでソロとオバレのサイリウムの色→依存脱却、闇の色、支配域→王としての格とか沢山の要素を回収してて、どれも今回が初出の話題じゃなくずっと作中で言及されてきたことで、監督凄すぎないですか?頭、こんがらがらないのかな…。

ヒロ様のショーに限った事ではなく、KING OF PRIZM-PRIDE the HERO-は作中描写全てに意味が込められているし、本当によく考えられた作品であると同時にそれ公開出来なかったらどうするつもりだったんだろうって思いますね。まだ続きが見たいので出来るだけラにお金を落とす所存です。